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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    自己紹介:
    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    病名とは定義です。
    こういう症状で、こんな検査データを○○病と定義する。
    そして現代において、病名と言えばそれは西洋医学の定義のことを意味しています。
     
    病院で○○病と言われたのですが、鍼灸で治りますか?
    日常的にこんな質問を受けます。
    この質問に正確にお答えするとすれば「わかりません」です。
    なぜならば、その病名は西洋医学の定義だからです。
    東洋医学には東洋医学の定義があります。西洋医学と東洋医学では、体の観察において着眼しているものが根本的に違います。両者はプリンと茶碗蒸し位に、似ていてそうで、本質の異なるものなのです。
     
    東洋医学では、症状と体質の関係性から病気を考えます。かりに同じ症状でも、体質が違えば違うカテゴリーになる場合もありえます。
    また、東洋医学には、病気を定義しないまま、どの治療パターンに該当する症状、体質なのかで決定する概念があります。
    どういうことかというと、例えば整形外科において、○○腰痛症であっても、変形性の膝痛であても、難しい名前の肩の病気だとしても、その結果、治療パターンは湿布と鎮痛薬だとします。
    部位が違うとか、病気のメカニズムなどで、詳しく分類してみても、治療上はあまり意味をなしていないのです。だったら最初から「湿布と鎮痛薬で対処する症候群」という定義があればよいのではないか。東洋医学のこういう発想はとてもユニークと言えるでしょう。
     
    そのような違いがあるため、例えば○○性腰痛症ですと病院で診断されたという場合でも、東洋医学では、泌尿生殖器系を治療するべきだとか、消化器系を治療すべきとか、まったく違う結論や治療方針になることもあります。
    「いいや、整形的疾患なのです。消化器系など関係ありません!」と言われても、観点の違うところで分類しているのですから、この矛盾は当然と言えば当然です。どちらが正しいかではなく世界が違う。
     
    でもご安心ください。このようなややこしい話を、患者さんにすることはありません。
    治るかと聞かれれば、東洋医学の立場からという前提で、わかりやすくお答えするように心がけています。
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    伝統的鍼灸において、施術は、気血を調整するためにおこなうといいます。

    血とは、血流の状態、貧血でいうような血の成分や量的状態、慢性的な鬱血状態における血の質的悪化などを意味していると考えます。

    では、「気」とはなんでしょうか。

    「気」は、東洋医学の中核をなす概念です。肉体的、精神的な生命活動全般を、この「気」の概念をもって説明しています。

    現在、この「気」を科学的に説明しようとする取り組みもなされていますが、いまだ合理的な説明ができるには至っていません。少ない根拠で科学的に説明しようとすると、逆に胡散臭い印象になったりすることもしばしばです。

    そのような現状から、「気」をオカルトだと思っている方も多いと思いますが、そういう方には、とりあえず「気とは東洋哲学の一つ」と考えていただければ良いのではないかと思います。

    私も鍼灸師になりたての頃は、むしろ「気」という概念は荒唐無稽であると否定して鍼灸をおこなっていました。

    しかし、経験をつむにつれて、気の概念には深い洞察と英知があることに少しずつ気がついてきました。「気」の概念なくして、鍼灸の本質を活かしきることは難しい。

    そのあたりのコアな部分は、今後ゆっくりと説明を試みたいと思っています。

    学校へ行く時間になると腹痛がして、不登校状態の女子高生の治療を依頼されたことがあります。

    実際は、もっと様々な症状を抱えているケースで、気分が落ち込み、体はつねに疲労感をおぼえ、一日の大半を眠ったりあるいは横になって過ごしている。外出も億劫で、定期的な病院への受診以外では外出もしないという状況でした。

    私は臨床的な心理士でもカウンセラーでもありません。心因的とも考えられるこの状態に、鍼灸に何ができるのかとおもいますよね。

    しかし、意外にも本人の治療感想はよかったのです。「治療のあとは、気分がハイになって、なんだかとても外出したくなる。昨日も治療のあとに本屋に出かけた。それまでのお薬や、カウンセリングではこんなことなかった」

    そのような感じで数ヶ月経過し、曲折はありましたが、外出への不安がなくなり、普通の生活にもどることができました。

    このような例も、昨日の鎮痛のメカニズムで書いたような、脳内における快物質の増加が貢献していると考えています。

    私がはじめて鍼灸の治療をうけたのは中学生の時でした。原因はわかりませんが、指の関節が腫れて痛んだためです。

    鍼の治療によって、指の腫れや痛みはすぐによくなりましたが、それよりも、体がとても軽くなった実感があってとても驚きました。みなぎる充実感を覚え、「これからフルマラソンをしなさい」と言われたら、きっと簡単にできる気がするようなスーパーマン感覚。

    私の鍼治療のおける原体験として、今でも治療方針や効果を考える上で大きな参考になっています。

    自分が鍼灸師になって考えてみれば、あの体が軽くなる実感とは、マラソンにおけるランナーズハイのように、脳内でおこるメカニズムが主なのではないかと思います。
    鍼で麻酔効果をつくる鍼麻酔のメカニズムで説明されるような、脳内に麻薬様の物質が増加することによって、体が軽く感じられる。

    さて、鍼灸には様々な治療スタイルがあります。

    痛みの治療ということに絞るなら、トリガーポント(圧すとひどく痛を感じるところ)を直接狙って鍼をする方法が多くおこなわれています。痛いところに鍼をするこの方法は急性の痛みには効果があるが、慢性となると効果に差が出てくるともいわれます。

    もう一つのメジャーなスタイルとして、伝統的な鍼の方法論にそって、痛みの部位とは離れた手足などの重要とされているツボに鍼をする方法があります。

    私が始めて受けた鍼は、まさに伝統的方法でした。この方法の特徴は、慢性期の痛みにも効果が期待できるということです。それは私の体験が示すように、脳内レベルの機序が関係すると考えられるからです。

    急性の痛みは、原因のある場所や脳への神経伝達路の特性を利用して鎮痛することができます。しかし、慢性の痛みの場合には、もっと中枢(脳)へのアプローチが必要だと考えられます。慢性の痛みには鎮痛剤より抗うつ剤などが効果があるというのも、慢性痛のメカニズムが中枢にあることを示唆していると考えられます。

    EACUP.JPG耳ツボダイエットなる方法があります。

    耳のツボを刺激すると、食欲を我慢しやすくなり、結果として食事制限しやすくなる。誤解が多いので付け加えますが、ツボを刺激したら無条件で痩せるわけではなく、あくまでも食事療法が柱です。

    最近ではこれを専門に行うところがあって、耳ツボと広告しているのをよく見かけます。内情はサプリなどを購入させ、食事制限するものが多いようです。

    だったら、耳ツボは補助であって、サプリ販売がメインだったりするのだから、「耳ツボ」が広告の冠にくるのはどうかと思いますね。しかも最終的には結構な金額が必要なようですよ。

    さて、この耳のツボを刺激すると、なぜ食欲が減るのか。

    耳ツボダイエット系の説明を読むと、ツボを刺激して食欲を正常化するとか、訳のわからない説明が多い印象ですが、本当は提供している先生もその原理をよく理解していないのだと思います。

    私はこの理由について、私なりの仮説を考えております。

    「耳ツボを刺激することで、脳内に快楽物質が増え、節食で満たしていた脳の快楽を補完できるから」

    残念ながら、直接のエビデンスはありません。間接的なエビデンスとして、鍼によっておこる脳内麻薬様物質の増加については、いくつかの専門書で目にすることができると思います。

    数年まえに、アメリカで、麻薬中毒患者の離脱プログラムで、耳ツボが使われているのをテレビでみたことがあります。禁断症状を我慢しやすくするためにおこなっているわけですから、脳内の快 不快のシステムに働きかける仕組みがあることが想像できます。

    過剰な節食は、一種の自慰行為。

    脳に快の代替を与えることで、異常な食欲をおさえたり、我慢しやすくなる。

    この仮説、いかがでしょうか。

    ちなみに、当院に通院されているかたが、ついでに耳鍼を希望したら、その部分は無料です。追加の技術料をいただくような特別なものとは考えていません。

     

     

     

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