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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    自己紹介:
    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    私は産婦人科の病院で、妊産婦の愁訴治療を担当しています。

    具体的には、妊娠中の骨盤帯痛(いわゆる妊娠中の臀部痛)や出産直後の様々な苦痛を緩和することが主なオーダーです。

    さて、妊婦の施術には、安全上の様々な制約が発生します。
    妊娠にとって、危険性のあることは一切出来ません。

    この制約は、通常治療を前提とした手技や施術の技法だけしか知らない場合には、かなり「ハードル」が高いものです。
    いわば、封じ手ばかりの条件で、結果を求められます。

    ですから最初は苦労しました。試行錯誤の連続です。

    ですが、その試練?が技術の向上に大きくつながり、最近では本当に単純な技法のみで、短時間で結果を出すことができるようになりました。

    先日、妊娠21週目の方が、腰臀部の痛みで来院されましたが、立った状態でおよそ3分程度。簡単な(技法とは思えない)ような手法で痛みのほとんどが消失して「えーっ?!!どうしてこれで痛みがなくなるの!」と驚いていいました。

    私もこの手法にたどり着いた時に、そのシンプルさと、まったく力などを必要としない点での安全性、そして結果が早い応答性の良さに感動したものです。

    およそ技法とは奥の深いもので、素人目に難しそうに見える手技が「高度」のように思う錯覚があります。
    しかし、高度とは、「どうしてこれで効果があるの?」というくらいシンプルな方法に集約されるものなのかもしれません。

    ただし、最初からそのシンプルな方法を学んでも、おそらく結果が出しにくい。
    それは、シンプルに見える中に、実は様々な要素がちりばめられているからです。
    だから、試行錯誤したステップアップの先に、結果としてそのステージがあるのだと考えます。
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    鍼を刺すことにも技術があります。
    鍼師なら、鍼を素人より上手に刺すことはできますが、しかし感心できる技術をもっている先生は少ない。

    有名な先生であっても、意外に不器用な人が多く、逆に、こんなに下手なのに評判が良いものだと感心することもしばしばです。

    私がこれまでに感心した刺入の技術は中国人の先生によるものでした。
    二十数年前になりますが、脳卒中などの麻痺に効果があると当時話題になった「眼鍼療法」というのがあって、そのセミナーに参加した時の事です。

    人民服を着た高齢の、品のよい先生でしたが、目の周囲という、見た目にも痛そうな部位に、鮮やかに刺鍼してゆく。
    それは、刀を鞘に収めるがごとく、ごく当然に、ごく自然で、見ていてとても安心できる、痛々しいなどとはまったく異なる印象でした。


    さて、ゴルフでも野球でもそうでしょうが、思い通りに玉を打つには、どのように立つか、どのように動作するかのスタンスやフォーム重要です。

    鍼を刺すというようなことも小手先の操作だけでは限界があり、そのような身体操作が必要になる訳なのですが、その点に努力する鍼灸師はおそらく少ない。

    省みて、自身はどうなのかというと、あまり他を批評できるレベルにあるとも思いません。
    しかし、何が自分にとって取り組むべきテーマなのか、弱点を自覚し、継続的に向上を目指しています。
    最近、日本でも顔鍼がブームになりつつあります。

    アメリカはセレブを中心に、ボトックス(筋肉を麻痺させる薬)でシワを消すとか、コラーゲンを注射するという方法に替わり、顔のリフトアップに鍼が注目されていると言われています。

    そもそも「顔」は、治療の対象になる重要なツボが集中しています。 シワとかフェイスリフトということではなく、全身に影響を与える治療として、以前から普通に行われてきました。

    当院では、目鼻の疾患や顔の麻痺などに多用してきましたが、現在通院中の方で美容鍼を追加希望なさる方には施術を受け付けています。 通常の治療と併用する場合、同じ時間枠の中で可能な場合が多く、その場合、追加の費用はいただいておりません。

    なお、鍼は下記の映像のような太いものではなく、極細の顔専用ディスポ鍼を使います。


    またまた今日もありました。

    題して
    「骨密度が低下しているための腰痛」

    腰痛で、整形を受診したら、骨密度が低下しているからだから、カルシュームをたくさん食べるようにと言われた。
    デンキをかけに(理学療法)通院しているが、症状が改善しないので鍼灸を試してみようと来院した。

    このような話は標準的で、かなり多くの人が、疑いもなく受け入れてしまっていますが、骨密度が低下しているということが腰痛の原因になるということは、まずほとんどないと考えます。

    骨密度の低下は、構造的に強度が低下していることを意味しますが、強度が不足しても、だから痛みが出るわけではありません。
    以前事件になった、強度不足のマンションのようなもので、地震があれば倒壊するかもしれないが、通常の状態ではなんともないのが強度問題の本質です。

    骨密度不足は、転倒したりすると骨折の危険性が高まっているといえますが、普通に生活するなら何の問題もない。それだけの話なのですね。


    ところで、このような話のもっとも大きな問題は、そのような正しくない話によって、患者さんが問題のある「呪縛的暗示」にかかることです。

    「この腰痛の原因は、骨密度が低下したためだ。私は食事などで努力するが骨密度はまったく改善しない=私の腰痛は今後も改善しない」

    きちんと説明し、骨密度と腰痛は関係がないことを理解していただかないと、案外、治りが悪かったり、慢性化することが多い傾向です。



    このような腰痛も、腰部の筋肉の痛みであるケースがほとんどです。
    膝が痛み整形外科を受診したら、膝の関節のクッションである半月板が壊れているとの診断で、関節にヒアルロンサンを注射するように言われた女性。

    何度か注射を受けるうちに、かえって痛みがまして、整形の治療に不信感を抱いたので、鍼灸を受けに来たとのことでした。

    すべて患者さんからの聞き取りによるものなので、話の正確性はわかりません。
    しかし、合理的な話ができる人なので、大筋ではそのようなことであったのだと思われます。


    さて、病院では、いつも科学的で正しい治療が受けられると、多くの方が思っていると思います。

    しかし、現実は案外「いい加減」なことが多いものです。


    このケースで言えば、まず、診断にあった半月板の損傷ですが、通常のレントゲン写真で半月板の正しい診断など不可能だと思います。

    この方は、関節鏡などで検査をしたわけではなく、医師の推察による診断と思います。

    かりに半月板に損傷があっても、それがどのくらい症状につながるのかは、実のところ不明です。

    膝に問題がない人でも、検査をするとある割合で半月板に問題がみつかるケースが知られているからです。

    こちらの外部ブログ記事をご参照ください。
    http://intmed.exblog.jp/7476264/


    また、その関節にヒアルロンサンを注射すると、それで半月板が改善するとする治療も疑問です。

    おそらく医師は、そういう説明をしたわけではないと思いますが、患者さんにしてみれば

    半月板が壊れていることが膝痛の原因=ヒアルロンサンを注射すると改善する=半月板が注射によって修復される というつながりを想像するのは当然の発想ですから、このような誤解につながる責任が、誰にあるかは明白です。


    この女性はその後3回の鍼灸治療で、膝の症状はすべて改善するにいたり、またその状態が維持できているようです。

    結局のところ、半月板など何の関係もなく、膝を取り巻く筋肉のstiffness(コリ)や、それに伴う痛みが膝痛の本態だったということです。
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