私は産婦人科の病院で、妊産婦の愁訴治療を担当しています。
具体的には、妊娠中の骨盤帯痛(いわゆる妊娠中の臀部痛)や出産直後の様々な苦痛を緩和することが主なオーダーです。
さて、妊婦の施術には、安全上の様々な制約が発生します。
妊娠にとって、危険性のあることは一切出来ません。
この制約は、通常治療を前提とした手技や施術の技法だけしか知らない場合には、かなり「ハードル」が高いものです。
いわば、封じ手ばかりの条件で、結果を求められます。
ですから最初は苦労しました。試行錯誤の連続です。
ですが、その試練?が技術の向上に大きくつながり、最近では本当に単純な技法のみで、短時間で結果を出すことができるようになりました。
先日、妊娠21週目の方が、腰臀部の痛みで来院されましたが、立った状態でおよそ3分程度。簡単な(技法とは思えない)ような手法で痛みのほとんどが消失して「えーっ?!!どうしてこれで痛みがなくなるの!」と驚いていいました。
私もこの手法にたどり着いた時に、そのシンプルさと、まったく力などを必要としない点での安全性、そして結果が早い応答性の良さに感動したものです。
およそ技法とは奥の深いもので、素人目に難しそうに見える手技が「高度」のように思う錯覚があります。
しかし、高度とは、「どうしてこれで効果があるの?」というくらいシンプルな方法に集約されるものなのかもしれません。
ただし、最初からそのシンプルな方法を学んでも、おそらく結果が出しにくい。
それは、シンプルに見える中に、実は様々な要素がちりばめられているからです。
だから、試行錯誤したステップアップの先に、結果としてそのステージがあるのだと考えます。
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