「私、すごく重症です。もう大変なんです」と、足取りも軽やかに、来院された古参の患者さん。
「もう、寝返りをするときや、立ち上げる時に腰が『びーーーん』と痛くて、こんなにひどい人って他にいるのでしょうか。私、ほんと重症だとおもいます!嗚呼」
重症の腰痛なら軽やかな足取りで来院されることはまずありません。突っ込みを入れたい気持ちは満々ですが、症状はあくまで主観ですから、どのようにおもってもそれはそれで正しい「感想」です。
鍼灸師になってすぐの頃は、こんな大げさな物言いをする患者さんは率直、嫌いでした。
しかし、今はそうでもありません。
むしろ悪気がなく面白い愛すべき個性だと思います。
そして、そもそも重症でもないのですから、すぐに軽快する。
「あんなにひどかったのにすぐに良くなった!すごい!」となるのです。
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