原発事故により、福島県や風下の地域の方々の心配は計り知れないものがあります。
報道をみていますと、現状においては、福島県内でも、一部を除き、ほとんどの地域で放射線の心配はないと言われていますし、水や野菜などの汚染状況も、直ちに健康被害がないと表現されています。
このようなケースにおいて、個々のリスクを考えてみると、年代によってもリスクは一様でないことが言えるのではないでしょうか。
例えば、70歳代や80歳代の方は、放射性物質の影響を多少受けたとしても、おそらく寿命や健康状態にはあまり影響しないと考えることが出来ます。
影響があったとしても、そもそもの寿命の方が先くると、おおざっぱに想像出来ます。
そうであるなら、無理に避難所などに退避させて無用なストレス与えるより、屋内退避とか、通常の生活を送ってもらう方が、メリットが大きいという選択もありえます。
一方で、小さな子供であるなら、「放射能などの影響は、すべてが判明していない」という前提において、未知のリスクに備える上でも、避けることが可能であるなら避けた方がより賢明であると思います。
さて、話は変わりますが、今年は放射能汚染を嫌い福島県に観光客がくる可能性は極めて低いでしょう。
先も、友人との話題で、ノーセンスでブラックユーモアでありますが、
「低レベルの放射能はむしろからだによく癌が治る。玉川温泉まで行くなくても福島県で大気を浴びよう」などのキャンペーンをはったらどうだ?などという話しになりました。
そうしたら、訪問診療をおこなっている知り合いの医師なのですが、患者さんの家で「この位の放射線はむしろ体に良いし、癌も治るぞ!私など原発事故で、放射線が高くなってから体調が良い(医師だが自らも癌患者)」と言ってあるいているらしく、患者さんの畑の作物を「体に良いから」と、すすんでもらって食べているという話しが聞こえてきました。
どのくらい本気でそれを言っているのかは不明ですが、もしも、患者さんの不安を解消するための方便なら、たいした行動力と思います。
ところで、日本には天然の放射能温泉があります。
地元福島も、母畑温泉などは有名で、明治時代には薬水として温泉水を輸出していたと言います。
この放射能の濃度だけで調べると、新潟県の村杉温泉 薬師の湯3号井戸の濃度などは飛び抜けて高いようです。
マッヘ71(最高値マッヘ204.7)だそうで、放射線の単位のことなど全くわかりませんが、最近有名になった「ベクレル」という単位に直すと、1マッヘは13.5ベクレルだそうで、つまり71×13.5=958.5ベクレルとなり、また最高値の204.7だとすると2763ベクレルにもなります。
これは半減期が4日程度のラドンのものなので、一様に比較はできないでしょうが、水道水で100ベクレルで乳児には与えるなという基準からすると、びっくりするくらい高い数値だと思います。
しかし、体に良いとなると、このような数値も高い方が効果があるような気がしてくる。
人の価値観はそういう矛盾を有しているものかもしれません。
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