産婦人科の病院での私の仕事は、妊娠中の腰痛に対する治療と、産後の骨盤状態の修正指導、および産後の様々な愁訴を緩和することです。
さて、最近では、骨盤が開くと太り、骨盤が閉じると痩せるという話が雑誌などで紹介されている影響か、骨盤の開閉の状態に関心を持つ方がとても多いようです。
ところで、骨盤の開き、閉じとはどのようなことをいうのでしょうか。多くの方には誤解があるようです。
よく質問されるのは、「出産後に、もとのパンツが入らないのは、骨盤が開いているからでしょうか」というものです。
結論から言えば、骨盤が開いていても閉じていても、外周サイズへの直接影響はそんなに現れません。きっとわずかな差しかないと思います。
そもそも関節には「開く 弛む」方向と「閉じる 縮む」方向があります
古典的「おばけー」の真似をするような手を下に曲げる方向が開く方向です。
関節は閉じていれば正常です。しかし、開くほうへまげて、さらに、不自然な方向へ力をかけると捻挫や脱臼を起こします。武道の関節技がまさにそういうことをしているわけです。
骨盤も関節ですから、開く方向と閉じる方向があります。そして現在どちらの傾向が強いか、その傾向によって開いているとか閉じているといいます。
サイズという点だけでいうなら、手首を上下どちらに曲げてもそんなにサイズの差として現れないように、骨盤も開いているからとても大きいということではなないのです。