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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    自己紹介:
    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    「治療を受けて帰宅すると、数時間後に痛みが出たり、だるくなったりしだすのですが、そういうことってありますか?」

    「ええ、当院の治療では、その経過はむしろ標準です。弛緩後の反応期と言います。狙い通りの過程と考えてください。」

    「ああ、やはりそうですか。さらに数時間で、それがスーッと消えてくると、それまでの症状も一緒に消えて、体がとても楽になる、....不思議な感じです。」

    「体が治るって、そういう経過が必要だと思います。スイッチを切るようにパッとなくなるのではなく、必要な順序があって、それを経てよくなることが、本当に治るってことだと思います。」

     

    「治るように工夫する」ことがいわゆる治療であって、車の板金のように、意図どおりに復元するものではないと私は考えています。

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    コリが弛めばよいとか、痛みがなくなればよいという感じで満足というのでは勿体無いという話。

    治療の過程を利用して、心身の様々な変化を認識する感覚を養う。あなたが治療をそういう機会にできたとしたら、もっと違う体が見えてきます。

     

    首が弛んだら視界が明るい感じになって、集中力が出る感じです。

    (ふむ。なかなかの感想です)

    肩こりが弛んだら、その肩こりは、実は自分が緊張して力を入れていたことに気付きました。そしてその緊張の原因って「きっとあれだ」と思ったら、自分ではそれはストレスでないと思っていたのですが、体にとってはそうではなかったのかと実感しました。

    (ふむ。上級の感想ですね)

    頭をおさえられたら、なんだかわけもなく涙がでてきまました。自分では別に悲しいわけでもないし、何故そうなるのかわかりませんが、でも、なんだか心の奥底でわだかまっていたものが軽くなるような気がしました。

    (体の緊張が弛むことで、心的にも変化があるのでしょう。いわば心のコリだったのですかね)

    不調を単なるアクシデントと思うのではく、必然があってそうなったのかもしれないと仮定してみる。だとしたら、どんな必然があってその不調を経験しているのか、また、回復の経過でどのような変化や気づきに出会えたか。

    そういうことを自分の中で内観し、消化してゆくことを加えてみると、それはもう単なるコリほぐしではなく、成長や自己実現の材料とりなりえるのではないでしょうか。

    体に変調や苦痛があれば、よくなりたいと思うのは当然のことです。

    しかし、それがどのくらい切実かについては、それぞれかなり差があります。

    当院は予約制です。治りたい気持ちが切実な人は、治療に強い期待と動機を抱いていますから、時間に遅れるようなことや、予約を安易に変更するうようなことはほとんどありません。

    しかし、大抵の方は、日常の他の都合が優先であり、治療はそれらの合間を見つけて受けているという感じです。

    私としては、別にどちらでも構いません。そのような背景によって、治療内容に加減を加えるようなこともしておりません。しかし、より効果が期待できるのは、治療をより真剣に受け止めている方々でしょう。

    人間とは不思議なもので、本人の動機、期待度、場面のセッティングなどが効果に影響をあたえます。

    薬でも、プラセーボといって、まったく効かない砂糖を丸めたものでも、ある割合に効果がでることが知られています。真の薬でも、希少価値があり高価だったりすると、より効く傾向があるとも言われます。

    つまり、本人がどのような心構えで治療を受けているかがとても重要なのです。

     

    「友人にショッピングに誘われたので、予約を変更したい」

    「行政が発行した施術費用助成券を使い切ったから、あとは来年度にする」

    「治りたい」といってはいても、その程度のモチベーションしか垣間見れないとしたら、いかがなものでしょう。そしてそれは、本人の無意識が決めていることです。あまり切実ではないといっているのと同じです。

    より良い治療を受けたいと思うなら、受ける「構え」を考える必要があるのではないでしょうか。

    どんなつもりで受けても費用は同等なのですから、より価値を高めて受けていただけたほうが得策だと思います。

    子犬のようなかわいい動物を見て「ああ、癒される~!!」と言う場合には、ほのぼのするといことを言いたいのでしょうね。

    頭皮をマッサージされて、「あああ、癒される」と言う場合には、脱力的に気持ちが良い感じということだとおもいます。

    最近の「癒される」という表現には、ほっとする、ほのぼのする、弛む、脱力するなどのニュアンスがこめられているのだと思いますが、一方で、それは小休止の一時的の現象で、体のリズムやパターンを変えるほどのインパクトは持っていないという意味も感じとれます。

    だとすれば、治療の後に「癒された~」と感想を述べられても、あまりほめ言葉とはいえないのかもしれません。私の考える癒しとは、やや意味が違います。

    深夜の番組で、オーラの泉と言う番組があります。江原さんと美輪さんが「スピリチュアルカウンセラー」としてゲストと話をする。話は霊的な話題なので、本物だとか、ペテン師だとか様々な意見もあるでしょうが、私はそんなことはどちらでも良いことだと思うのです。あのような話題を通して、今まで抱いていた人生の問題などに、なんらかのインパクトと変化のきっかけを与えられる。それが癒しである気がします。

    ところで、治療をおこなっていても、あるレベルの癒しに遭遇することがあります。

    別に何の会話をしていたわけでもありません。治療中に突然涙が溢れてくる。本人もどうして涙が出てくるのかわからないけれどどうしようもない。心のトラウマの中には、身体の緊張として記憶されているものがあるのでしょう。ただのコリではなく、たとえば感情のしこりだった緊張。治療でこれが弛みだす。すると様々な解放現象が起こる場合があるのですね。

    それをねらって治療をおこなっているわけではありませんが、様々な心身のトラブルが、良い意味で変化するためには、そのような反応が必要なケースもある。

    癒しとは、自律的におこる継続的な変化だと考えています。

    自然治癒力とかいわれていますが、治癒にむけて体が積極的な変化をみせるとき、この経過は実に巧妙です。

    足の外踝 (そとくるぶし) に、たびたび水が溜まる。そのたびに整形で抜いてもらっているが、水の溜まる袋ごと外科的にとってしまうことをすすめられているという患者さん。

    鍼灸治療を開始してまもなく、踝の腫れている頂点におできのようなデキモノができる。  (ちなみに、腫れている踝の部分には一切刺激をしていません。鍼灸における遠隔的な操作法をおこないました)

    数日後、おできが破れ、まもなくおおきなかさぶたになる。

    かさぶたが取れると、踝の腫れが小さくなっている。

    数日後、また、おできのようなものができる。

    数日後、おできが破れ.......

    結局、このパターンを3回繰り返す。3回目のかさぶたは、その下側に、残骸的な組織を有しており、この組織とともにかさぶたが脱落したら、踝の水腫はまったくなくなり、以後再発もない

    実は、過去に私が腕に火傷をした際も、これと同じような経過を経験していました。

    火傷の瘢痕がのこったのですが、この瘢痕の中に、ある日水胞ができて、数日しては破れる。破れると、瘢痕が小さくなっている。火傷から1年くらいの間に、そういうことが何度か起こり、繰り返すうちに瘢痕もなくなりました。

    健康に生きるためには、このような体の回復過程を乱さないことが大切だと思います。しかし、一般的な私たちの常識や治療行為は、治しているつもりで、実は乱していることも少なくないかもしれません。

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