自然治癒力とかいわれていますが、治癒にむけて体が積極的な変化をみせるとき、この経過は実に巧妙です。
足の外踝 (そとくるぶし) に、たびたび水が溜まる。そのたびに整形で抜いてもらっているが、水の溜まる袋ごと外科的にとってしまうことをすすめられているという患者さん。
鍼灸治療を開始してまもなく、踝の腫れている頂点におできのようなデキモノができる。 (ちなみに、腫れている踝の部分には一切刺激をしていません。鍼灸における遠隔的な操作法をおこないました)
数日後、おできが破れ、まもなくおおきなかさぶたになる。
かさぶたが取れると、踝の腫れが小さくなっている。
数日後、また、おできのようなものができる。
数日後、おできが破れ.......
結局、このパターンを3回繰り返す。3回目のかさぶたは、その下側に、残骸的な組織を有しており、この組織とともにかさぶたが脱落したら、踝の水腫はまったくなくなり、以後再発もない
実は、過去に私が腕に火傷をした際も、これと同じような経過を経験していました。
火傷の瘢痕がのこったのですが、この瘢痕の中に、ある日水胞ができて、数日しては破れる。破れると、瘢痕が小さくなっている。火傷から1年くらいの間に、そういうことが何度か起こり、繰り返すうちに瘢痕もなくなりました。
健康に生きるためには、このような体の回復過程を乱さないことが大切だと思います。しかし、一般的な私たちの常識や治療行為は、治しているつもりで、実は乱していることも少なくないかもしれません。