当院の携帯向けホームページでは、逆子のお灸の方法を紹介し、また希望なさる方にはお灸をお送りしております。
http://www.ann.hi-ho.ne.jp/haripo/i20.htm
(レイアウトを気にしなければパソコンからでも閲覧可)
逆子のお灸は特に35週目までなら75-85パーセントの高い効果があるといわれています。
先日も報告のメールをいただきました。
山形県天童市 K.S様
こないだお灸を送っていただきありがとうございました。説明書を読みながら早速何度か試してみました。その結果今日病院で診察を受けたところ、なんと見事逆子が治ってるよと言われました。もうびっくりで信じられません。どんな逆子体操をしても効果がなかったのに..なんとお礼を申しあげたらよいのか、もう感謝の気持ちでいっぱいです。今はさらしを使ってまた逆子にならないようにしっかりと固定しています。本当にありがとうございました。周りに困っている人がいれば是非紹介してあげたいと思っています。
難しい方法ではなく、重篤な副作用はないと言われていますので、試す価値は十分にあると思います。
外科の手術なら、傷口はより少ないほうが良いし、手術に要する時間もより短いほうが上手といえます。
これは鍼灸も同じことで、鍼の本数はより少ないほうが技術を要しますし、所要時間もより短くて効果があればそのほうがよいでしょう。
私はそういう方向性で技術を洗練してゆく努力をしています。
ところが、普通の方のニーズはすこし違った感覚であることが多いようです。
鍼の本数はより多いほうがより内容が濃いと思われがちです。また時間も長いほうが丁寧だという印象になります。
つまり、治療を量で判断する基準の発想が主流なのですね。
先日も、「なるべくたくさんの鍼を使ってほしい」という希望の患者さんがいらっやいました。
希望ですから、不可能でない部分についてはなるべくその意向にそえるような配慮はいたします。
しかし、私にしてみればそれは「あえて下手な方法でやってください」と聞こえるのです。
当院は所要時間で料金が算定される方式です。
したがって、時間が長い場合には料金も比例して増えます。
それは経営的には歓迎です。しかし治療の内容という面からみれば、簡潔に適当な時間で終えたものが一番良い。
量を求める患者さんには、一応そいう言う話をさせていただいておりますが、それでもほとんどが手数、時間の多い方を選択なさるのが現実です。
当院に新患でおいでになる方のほとんどは紹介です。
ところで、先日こんなやり取りがありました。
「この前、○○という人が来たでしょう。あれ、私の兄なんです。腰が痛いっていうからここへ行ってみろと紹介したんです」
「ええ、いらっしゃいました。ご紹介いただきましてありがとうございます」
「でね、もうすっかり良くなったといっていました。紹介するときに言っておいたんです。あそこの治療は、あっさりしていて、直後に良くなっていない感じでも、2-3日後にスーッと治る。だから、そういうつもりで受けるようにって。
そしたら、兄もいっていましたよ。確かに終わった直後はそうとも思わなかったが、2日たったらスーッとなおって、お前に言われた通りだったって。」
実は、このような話はよくありまして、当院の患者さんは、自身の体験から、当院の治療結果は直後より2-3日目と実感しているようです。
体というのは、治るのにも経過や順序というのがあると思います。
治療というのは、治るようにお膳立てを調えるようなもので、いままでなんらかの条件が悪くてうまく経過しなかったものが、その悪条件が解消されることで、自然に治ってゆく。つまり治るのを妨げていたものを排除して回復を促すというイメージですね。
ですから、直後はすごく良いが2-3日後にぶり返すというのは、私の考える理想の治療ではありません。
紹介の時に、そのような話を自発的にしていただけるなら、新たに受けていただく方も経過を待つ姿勢を前提に理解できますので、とてもありがたいことです。