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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    身体にはそれぞれ癖があり、定規で図形を描いたような体の人はまずいません。

    その癖を「歪み」と称して、治すべきテーマと捉えるわけですが、実際にはそれが修正すべきネガティブなものなのか、あるいはその人にとって、必然のある現象なのかを判断するのは難しいことです。

    どういうことかといいますと、例えばテニスなどをしていると、ラケットを持つ腕の方が「長く」なったりすることがあるようです。

    これは、ある意味「適応」と言える部分もあり、体が歪んだといより、その動作に特化してよりより有利に変化したとみることもできるわけです。

    体が自発的おこなう、「身体改造」とでもいえるでしょうか。


    この身近な例は「近視」です。

    「目」は、本来近くのものを集中して凝視することはとても「苦手」なことだと言われています。

    ですが、生活習慣の中で、近くを凝視するという特殊な使い方を繰り返すことで、「目」が近くを見るのに特化して変化してくる。

    その結果として遠方に焦点が合いにくい、好ましくない結果もまねくことになるので、この適応は嫌われてしまいますが、しかし「目」にしてみれば、本人が一番おこなっている行為に特化したというわけでしょう。

    さて、話は変わりますが、歌を歌う、特に高音域を出す行為は、おもに骨盤を中心に特徴的な変化をみせることがあります。

    仙骨部位が後方に変位して、仙骨が凝縮する印象で(大人において仙骨は融合した板状の骨なので、凝縮という表現も変なのですが)骨盤の前面が開く感じでしょうか。

    高い音域の声を出すということは、骨盤でもこの辺りの身体を操作して、行っている部分があるのでしょう。

    現在、当院には声楽の仕事をしている方がいらしていて、その方の骨盤を治療で操作するのですが、その方の場合には、骨盤の変化が声の変化に直結する感想を述べられます。

    この方もケースでは、適応の方向へ状態を強調すると、声が出やすい実感につながるようです。
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    通院中の方から、このような感想メールをいただきました。


    いつもお世話になっております。

    私は婦人科系を改善したくてそちらにおじゃましておりますが、帰りには体が温まっていて左右差も改善されていて、
    たぶんそのためだと思いますがものすごく、声によい影響を感じます。
    婦人科系の変化は、体温を計るなどして、目で見ないとよくわからないことですが、
    声の出やすさは発してみればすぐに感じられることなので、鍼に行くのが楽しみです。
    本来の理由とは違ってしまいますが。


    この方は、声楽のお仕事をなさっているので、声の出しやすさという点で、ご自分のコンディションを敏感に感じ取るのだと思います。

    鍼灸などの治療は、「病気を治す=故障の修理」ではなく、体の能力を発揮させることに目的があります。
    その人のポテンシャルを引き出すというイメージです。
    それが、治癒能力に及べば病気も回復するのでしょう。

    ですから、治療後に何かが「やりやすい」「能力がより発揮できる」実感が伴うのであれば、治療はうまくいっていると言えます。
    当院には不妊症治療の一環として来院されている方が多くいらっしゃいますが、最近の傾向としてカップル受診の希望が目立ってきています。

    この1ヶ月で新たに3組の方がそのような形態で来院されました。

    不妊治療というと、どうしても女性が治療対象と考えられがちですが、男性側でも、精子の数や運動率が問題になるようなものもありまし、それ以前の性的ポテンシャルの低下が障害の場合も多いと感じます。

    ところで、カップル受診の場合、男性側の主訴は、訴えの裏側を汲み取る姿勢が必要なのだと考えています。
    「不妊治療のためです」というストレートな形ではなくて、「腰痛です」とか「慢性疲労です」という主訴であることが多いのです。

    しかし、そのようなケースの場合、背景には軽度のED(性機能障害)や性欲減少を感じているものがあり、これは会話の何気ない一言から感じられたりします。

    つまり、腰痛や肩こりもあるのだけれど、真のテーマは察してくださいというところなのでしょう。

    正直に言っていただければ治療もやりやすいですが、その辺りは配慮して治療にあたっています。
    痛みには、いくつかのタイプがありますが、私はまず「火事」による痛みと「凍りつき」による痛みの二つに分けて考えます。

    「火事」の痛みとは局部に熱感や発赤(あかく腫れあがる)などの症状があるタイプのもので、これを医学的には炎症といいます。

    「凍りつき」の痛みとは、「火事」とはまったく反対に、局所には熱感や発赤がなく、むしろ局所的に体温が低下しているような場合すらあるタイプの痛みです。
    筋肉などの凝り(緊張)が慢性的になることで、血行が滞り、疲労物質などが蓄積しているような状態です。

    さて、私たちは関節や筋肉などに痛みがあるときに、塗り薬や湿布を貼りますが、これらの目的は、「火事を抑える」ことです。
    炎症を鎮めることで、痛みを改善しようとしているわけですね。

    しかし、日常的に感じる痛みの多くは「火事」の痛みではありません。
    例えば慢性的に腰が痛いという場合でも、痛む部位に「火事」の兆候を見出すことはほとんどできません。
    つまり痛みとしては「凍りつき」タイプの痛みだということなのです。

    湿布や塗り薬をつかっても実感として効かないのは、それは「火事」向きであって、「凍りつき」向きではないからです。

    では「凍りつき」タイプの痛みにはどう対処したらよいでしょうか。

    それは、局部を温めることです。
    蒸しタオルなどが効果的ですが、要は局所の血行を改善する工夫をすることです。

    「凍りつき」タイプの痛みなのに湿布薬や塗り薬を使い続けている方は、一度それをやめて、温める工夫をしてみるとよいでしょう。


    なお、「火事」の痛み、「凍りつき」の痛みというのは、私の考えた喩えであって、そういう表現が一般的なわけではありません。
    長引いた風邪や喘息などで、就寝すると咳がでるという症状があります。

    このようなケースを一般に「体が温まると咳がでる」といいますが、この表現はどうなのでしょうか。

    体が温まるというならば、入浴時や運動時でも体は温まっていると思いますが、そのタイミングで咳がひどくなるということはほとんどありません。

    そのようなことから、体が温まるということが要因ではないとかんがえられます。


    では、なぜ就寝すると咳が出やすいのでしょうか。

    それは自律神経が「副交感神経優位」に切り替わるためだと思われます。

    副交感神経は、人を休息させるための設定です。

    全身をリラックスさせ、休息モードになりますが、このとき手足の体温が上昇し、いわゆる「体が温まった実感」が生じます。
    一方、副交感神経優位では、気道が狭くなるなどの反応が起こることがあり、そのような気道内の変化が咳を誘発するのだと思われます。

    つまり、咳は体が温まったからではなく、体が温まったと実感するような自律神経の状態においては咳が出やすいということだと考えられます。

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