痛みには、いくつかのタイプがありますが、私はまず「火事」による痛みと「凍りつき」による痛みの二つに分けて考えます。
「火事」の痛みとは局部に熱感や発赤(あかく腫れあがる)などの症状があるタイプのもので、これを医学的には炎症といいます。
「凍りつき」の痛みとは、「火事」とはまったく反対に、局所には熱感や発赤がなく、むしろ局所的に体温が低下しているような場合すらあるタイプの痛みです。
筋肉などの凝り(緊張)が慢性的になることで、血行が滞り、疲労物質などが蓄積しているような状態です。
さて、私たちは関節や筋肉などに痛みがあるときに、塗り薬や湿布を貼りますが、これらの目的は、「火事を抑える」ことです。
炎症を鎮めることで、痛みを改善しようとしているわけですね。
しかし、日常的に感じる痛みの多くは「火事」の痛みではありません。
例えば慢性的に腰が痛いという場合でも、痛む部位に「火事」の兆候を見出すことはほとんどできません。
つまり痛みとしては「凍りつき」タイプの痛みだということなのです。
湿布や塗り薬をつかっても実感として効かないのは、それは「火事」向きであって、「凍りつき」向きではないからです。
では「凍りつき」タイプの痛みにはどう対処したらよいでしょうか。
それは、局部を温めることです。
蒸しタオルなどが効果的ですが、要は局所の血行を改善する工夫をすることです。
「凍りつき」タイプの痛みなのに湿布薬や塗り薬を使い続けている方は、一度それをやめて、温める工夫をしてみるとよいでしょう。
なお、「火事」の痛み、「凍りつき」の痛みというのは、私の考えた喩えであって、そういう表現が一般的なわけではありません。
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