鍼を刺すことにも技術があります。
鍼師なら、鍼を素人より上手に刺すことはできますが、しかし感心できる技術をもっている先生は少ない。
有名な先生であっても、意外に不器用な人が多く、逆に、こんなに下手なのに評判が良いものだと感心することもしばしばです。
私がこれまでに感心した刺入の技術は中国人の先生によるものでした。
二十数年前になりますが、脳卒中などの麻痺に効果があると当時話題になった「眼鍼療法」というのがあって、そのセミナーに参加した時の事です。
人民服を着た高齢の、品のよい先生でしたが、目の周囲という、見た目にも痛そうな部位に、鮮やかに刺鍼してゆく。
それは、刀を鞘に収めるがごとく、ごく当然に、ごく自然で、見ていてとても安心できる、痛々しいなどとはまったく異なる印象でした。
さて、ゴルフでも野球でもそうでしょうが、思い通りに玉を打つには、どのように立つか、どのように動作するかのスタンスやフォーム重要です。
鍼を刺すというようなことも小手先の操作だけでは限界があり、そのような身体操作が必要になる訳なのですが、その点に努力する鍼灸師はおそらく少ない。
省みて、自身はどうなのかというと、あまり他を批評できるレベルにあるとも思いません。
しかし、何が自分にとって取り組むべきテーマなのか、弱点を自覚し、継続的に向上を目指しています。
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