またまた今日もありました。
題して
「骨密度が低下しているための腰痛」
腰痛で、整形を受診したら、骨密度が低下しているからだから、カルシュームをたくさん食べるようにと言われた。
デンキをかけに(理学療法)通院しているが、症状が改善しないので鍼灸を試してみようと来院した。
このような話は標準的で、かなり多くの人が、疑いもなく受け入れてしまっていますが、骨密度が低下しているということが腰痛の原因になるということは、まずほとんどないと考えます。
骨密度の低下は、構造的に強度が低下していることを意味しますが、強度が不足しても、だから痛みが出るわけではありません。
以前事件になった、強度不足のマンションのようなもので、地震があれば倒壊するかもしれないが、通常の状態ではなんともないのが強度問題の本質です。
骨密度不足は、転倒したりすると骨折の危険性が高まっているといえますが、普通に生活するなら何の問題もない。それだけの話なのですね。
ところで、このような話のもっとも大きな問題は、そのような正しくない話によって、患者さんが問題のある「呪縛的暗示」にかかることです。
「この腰痛の原因は、骨密度が低下したためだ。私は食事などで努力するが骨密度はまったく改善しない=私の腰痛は今後も改善しない」
きちんと説明し、骨密度と腰痛は関係がないことを理解していただかないと、案外、治りが悪かったり、慢性化することが多い傾向です。
このような腰痛も、腰部の筋肉の痛みであるケースがほとんどです。
PR