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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    自己紹介:
    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    私が以前参加したことがある「医療従事者が学ぶ骨盤メンテナンス」の講座の中で、妊娠中に骨盤ベルトをすることで、妊娠中毒症(現在では妊娠性高血圧症候という)を予防できる可能性についての言及があました。
    講師は、とこちゃんベルトの考案者である 渡部信子 助産師です。

    そこでの説明は、
    この病気は妊娠後期になんらかの原因で子宮動脈が収縮することが原因だが、そのひとつとして、骨盤が緩みすぎ子宮が下垂して動脈に影響を与えていることが考えられる。この場合ベルトで固定すると予防できる。
    という内容でした。

    婦人科の医師にその話をしたら、笑っていましたが、当院(鍼灸院)が扱った症例で、骨盤を固定することが有効と思われるものがありました。

    その妊婦さんは5年前に一子目を出産していますが、妊娠30週目から浮腫と蛋白尿により入院し、その後状態の悪化により妊娠34週で緊急に出産している経緯があります。

    今回の妊娠が判明したときに、その経緯から「あなたはハイリスク妊婦」と、最初に受診した医師からはっきりと断言されたといいます。
    私の勤務する産婦人科の医師も「そういう経緯がある人なら、おそらく今回も同じになるだろう」と言っていました。

    この方には、妊娠判明から骨盤を固定することを勧め、本人もすすんでそれを行いました。
    また定期的に、もしくは何らかの愁訴があるときに、症状に応じた鍼灸などの施術を行いました。

    妊娠中は異常な所見はほとんどなく、妊娠後期に貧血と、すこし子宮が下がってきているとの指摘があったようですが、帝王切開にて3,100グラムの男子を無事出産するにいたりました。
    心配された高血圧や蛋白尿などは、最後までまったくなかったとのことです。

    このような経過に、主治医も含め、「良い意味で意外な結果であり、実はかなり心配していた」という趣旨の感想を述べていたようです。

    当院にも、「鍼灸などの施術は、体だけでなく、精神的な部分も楽になったので本当に支えになたと思う。私のように一人目に妊娠中毒症になると、二人目の妊娠が怖い気持ちが生じるが、私のような事例があることももっと知ってもらえたらよいのにね」とお礼の言葉をいただきました。

    この例をもって、ベルト固定が効果があったとすることはできません。
    しかし、このような対処の有効性をもっと検討することに意味があることを考えさせます。
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    産後に骨盤をベルトなどで固定することは、出産のために弛んだ骨盤を「締める」ために行っているのではありません。
    弛んだ関節では歪みが発生しやすいので、産後の弛みのある期間に「歪の発生」を予防するために関節を固定するのだと考えられます。

    特に会陰切開などをした方は、傷が痛いために変な格好で座ってしまいます。
    弛んだ状態の骨盤に偏った負荷をかければ、歪みが起こり易いので注意が必要です。

    実は、会陰切開の傷の痛みも骨盤をベルトで固定するとかなり軽減されます。
    傷は傷が開くような方向に力が発生したときに痛み易いですが、骨盤そのものを固定することで傷が開きにくくなるのでしょう。


    産後に骨盤を固定するならなるべく早いほうが良いと考えます。
    その種のベルトとして有名な「とこちゃんベルト」の考案者である助産師の渡部信子さんは、分娩台を降りる前に固定が望ましいと主張しています。

    現実的には出産した病院、産院の方針によってベルトの賛否は分かれ、分娩台での装着などはごく一部の施設だけでしょうが、早く固定すればそれだけメリットがあると思われます。

    なお、ベルトの装着にはいくつかのポイントがあります。
    当院でもそのような指導を行っておりますので、必要な方はご相談ください。
    妊娠の報告がありました。...といっても今回は不妊治療の方からではありません。
    産後、臀部に痛みがあるというで来院されていた方です。

    さて、この妊娠は本人にとってとても「意外」だったと言います。
    なぜなら、最初の妊娠は不妊治療の末にやっと授かった経緯があるからです。
    しかも、医師からは「自然妊娠は不可能」と診断され、高度生殖医療によって妊娠できたケースでした。

    なのに二人目はあっさり妊娠。現実にはこのような事実が起こるのですね。
    出産は、身体にに大きな変化を伴います。
    その中には、子宮や卵巣の状態まで変化させるものが含まれるのでしょう。


    さて、妊娠は「出産」がゴール(完結)ではありません。
    出産後には妊娠以前の身体へ戻る数ヶ月の過程があります。

    その数ヶ月までを広い意味での「妊娠の期間」として捉え、過程に不自然な負担を与えないようにすることがとても重要だと思います。
    そうすることで、妊娠前の身体の異常などが改善する可能性も高まると考えます。

    当院では産後の骨盤に注目し、歪みや引き締まり具合を改善する指導を行っています。
    (同様の指導を産婦人科の病院で、出産直後の方にも行っています。)
    それは単なる美容目的ではなく、上記の視点から重要と考えているからです。
    不妊症の鍼灸治療は、どのように効果が上がっているのか、その判断がしにくいものです。

    例えば、痛みの治療なら、痛みが緩和されるとか、動作が楽になるなどといった、自覚症状の変化を感じますが、不妊治療の場合に自覚症状の変化といった要素は少ないものです。

    経過において、結果がみえる一番の窓口は基礎体温です。

    基礎体温の低温期、高温期の変化がハッキリとしてくるとか、高温期が必要な日数だけ継続できるようになるなどの傾向がでてきます。

    基礎体温でこのような変化を確認するのは3ヶ月目くらいからであることが多いと感じています。


    その他の変化は、病院の受診によって分かる場合がほとんどです。

    先日もこのようなケースがありました。


    OHSS 卵巣過剰刺激症候群で、腹部などに浮腫がおこり、状態が改善するまで、しばらく不妊治療を休止しているケース。

    病院での治療が休みの期間を利用して当院にて毎週1回鍼灸を施術。

    鍼灸8回の施術後、婦人科を受診したところ、OHSSの所見が改善。想定していた休止期間が大幅に短縮された。

    担当の医師も、なぜこんなに早く改善したのか驚いていたとのこと。
    不妊治療で通われていた方から、妊娠報告のメールをいただきました。

    >今は妊娠8週目に入りました。
    >絶対、あの腰痛バンド、効果あったと思います。

    まずは、おめでとうございます!


    さて、彼女は腰痛バンドといっていますが、ベルトは腰痛治療が目的ではありません。
    また、特別な「子宝ベルト」があるわけではないのです。


    当院では、不妊治療の中で、必要と思われる方に「骨盤を特定の時期に固定する」指導を行っています。

    骨盤は生理周期によって、弛む時期と絞まる時期があります。
    簡単にいえば、生理時期には骨盤が弛み、排卵時期には骨盤がもっとも締まります。

    そのような骨盤周期に注目し、適切な時期に骨盤を固定することで、生理的開閉リズムを調えることを目的とします。
    それによって、骨盤内臓器である子宮や卵巣などの血流を改善し、機能向上などをねらうわけです。

    いうなれば「周期骨盤療法」

    この方の実感のように、これはかなり有効な方法ではないかと考えています。

    今後も事例を増やし、随時、報告して行きたいと思います。
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