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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    自己紹介:
    開業鍼灸師として20年。治療の枠をこえ、よりよく生きるために心身のあり方について日々模索中
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    私は、開業以来、少なくても月に1回以上は、何らかの研修や指導の機会を得て、技術等の向上に努めています。

    最近、二つの、とてもよい体験指導を受ける機会を得ました。

    一つは「操体法」です。

    左右などの対になる方向性の、楽な方へ動作をして脱力を行うことで矯正する方法とでも言いましょうか。
    考案者の故)橋本先生は医師でしたが、民間療法の効果のある方法をいろいろ模索して、たどり着いた手法と言われます。

    操体法は、たくさんの参考になる書物がありますし、原理はシンプルなので、だれにでも行いやすく安全な方法と思います。
    ただ、シンプルなものほど、文章としては表現できない「コツ」というもがあるもので、高い次元の効果を期待するなら、より上手な施術者の指導や治療を受けることがもっとも近道です。

    今回、操体法は、宮城県仙台の今治療室(http://soutai-kon.com)にお邪魔して指導をお願いしました。今昭宏先生は操体法では有名な先生のお一人です。

    技術の向上が目的で、自らが治療を受ける立場として指導を受けたい趣旨、了解を得ての訪問です。

    今先生は、とても柔和な印象で、言葉の語尾に独特の東北訛りのイントネーションが絡む所に、患者さんの緊張を解くであろう、素朴な雰囲気をかもし出しています。
    余談ですが、先生の雰囲気(オーラなんて表現する人もいますね)は、治療効果を左右する要因の一つと私は考えています。

    いくつかの指導を受けましたが、もっとも参考になったのは、施術で介入した身体に直後に起こる「余韻」です。
    この余韻について説明するのはなかなか難しですが、「後味」とでもいったらよいでしょうか。

    例えば、食の場合に、本当に美味しいものを食べた時には、口に入れた瞬間もそうですし、飲み込んで、しばらくしても、感動があとを引ことがあります。極端な場合には、お店を出た後も、「ああ、本当においしかったなー。また機会があれば食べたいなあー」という幸せの余韻がのこることがありますね。
    そういう感じです。

    治療者は、治療を行っている瞬間が治療と思いがちなのですが、その後に起こる身体の変化の味わいも、もっと視野に入れる必要を考えさせる、よい体験でした。


    もう一つの指導体験は、新潟県佐渡の合氣堂鍼灸養生院(http://sadoaikido.wordpress.com)萩原俊明先生のところへ訪問して、彼のブログ 反証的、鍼灸・手技・心理臨床(http://sansetu.exblog.jp)の中で度々でてくる「揺らし」という技法についてのレクチャーを受けたことです。

    萩原先生の治療院は、テレビ番組の「人生の楽園」にでも登場しそうな、田畑の中の古い民家で、長期に住む気もなく気軽に佐渡に渡って生活する内に、すっかり気に入って、そのまま住み続けているとの事でした。
    先生は、このまま歳をさらに重ねたら、映画などに登場する「ひょうきんさを内包する老師」にでもなるような独特の雰囲気をお持ちです。

    また、治療院の名前にあるように、合気道の師範でもあるようで、その方面では名の知れた方のようです。

    そういうこともあって、本来の目的「揺らし」のレクチャーの後に、ミニ合気道レクチャーがあり、「合気上げ」という技について「不動の動」なる奥義の説明を受けたのですが、これが私の常套としている手技に、かなりのヒントを与えてくれました。
    例えば、緊張している筋肉を定圧して弛緩に導く技法の導入部分に、この技の要素を入れると、これまでより向上した技術となり得るのです。

    ただ、この場合、注意すべきポイントが一つあることも同時に気づきました。
    萩原先生の技、(揺らしなど)とても繊細でソフトな介入なのですが、受けてみての率直な印象はどこか「硬気功」を感じさせる雰囲気があるという点です。

    硬気功とは、武術につかう(間合い)の在り方で、その技が相手を「制圧」するような隙をついて入ってくる印象です。
    萩原先生の場合、厳密には、制圧するような間合いを消しているのですが、必要ならそのような隙をいつでも突けるという余白を感じさせるのです。
    「合気上げ」の要素をなるべく再現すると、どうしてもそんな印象も同時にでてくるとことが面白くもあり、自分なりに改善したいと思う点でもあります。

    いずれにしても、技術のコツをおしまず開示して親身に指導してくださる姿勢に、心底から頭が下がる思いでした。ありがとうございました。
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    私は産婦人科の病院で、妊産婦の愁訴治療を担当しています。

    具体的には、妊娠中の骨盤帯痛(いわゆる妊娠中の臀部痛)や出産直後の様々な苦痛を緩和することが主なオーダーです。

    さて、妊婦の施術には、安全上の様々な制約が発生します。
    妊娠にとって、危険性のあることは一切出来ません。

    この制約は、通常治療を前提とした手技や施術の技法だけしか知らない場合には、かなり「ハードル」が高いものです。
    いわば、封じ手ばかりの条件で、結果を求められます。

    ですから最初は苦労しました。試行錯誤の連続です。

    ですが、その試練?が技術の向上に大きくつながり、最近では本当に単純な技法のみで、短時間で結果を出すことができるようになりました。

    先日、妊娠21週目の方が、腰臀部の痛みで来院されましたが、立った状態でおよそ3分程度。簡単な(技法とは思えない)ような手法で痛みのほとんどが消失して「えーっ?!!どうしてこれで痛みがなくなるの!」と驚いていいました。

    私もこの手法にたどり着いた時に、そのシンプルさと、まったく力などを必要としない点での安全性、そして結果が早い応答性の良さに感動したものです。

    およそ技法とは奥の深いもので、素人目に難しそうに見える手技が「高度」のように思う錯覚があります。
    しかし、高度とは、「どうしてこれで効果があるの?」というくらいシンプルな方法に集約されるものなのかもしれません。

    ただし、最初からそのシンプルな方法を学んでも、おそらく結果が出しにくい。
    それは、シンプルに見える中に、実は様々な要素がちりばめられているからです。
    だから、試行錯誤したステップアップの先に、結果としてそのステージがあるのだと考えます。
    不妊治療を経て出産し、2ヶ月目の方が「催乳」を希望して来院されました。

    妊娠中も定期的に来院され、その都度、必要と思われる施術を行っていました。
    筋力(姿勢を支えるインナーマッスル)が虚弱な方なので、妊娠の経過や、出産にそれが影響しないか若干心配だったのですが、妊娠中もトラブルなく、また出産もきわめて順調だったと言うことで、安心しました。

    診てみると、むしろ、妊娠前より身体の状態が良くなっています。
    私から言わせれば「別人」です。
    その姿を見れば、真から良い出産だったことが想像出来ます。
    産後直後から行っている骨盤固定もよい効果を発揮しているようです。

    退院時には妊娠前の体重に戻り、現在は妊娠前との比較でマイナス4キロだそうです。
    その体重の減り方などから、おそらく、母乳はほぼ十分に出ていると考えました。
    検診時に、赤ちゃんの体重の増加が緩慢だったので、母乳不足が指摘され、それ以来「足りないのではないか」という観念に支配されていたようです。

    催乳が希望と言いますが、必要があるとすれば量よりも母乳の質の向上でしょうか。
    当院は予約制ですから、当然、都合による予約の変更というのは受け付けております。

    しかし、常識を超えるような度重なる変更に関しては、場合によっては許容致しかねます。

    先日、当初の予定から数えて4回目の変更の相談がありました。

    毎回もっともな事情がおありなのですが、しかし少し考えると、前の予約変更の時点で、その事情はすでに予見できた話しと思われます。

    実は、このような予約変更を繰り返すタイプの方には、無意識が意図してそれを行っている場合があるのです。

    例えば、自分を印象づける行動として(いたずらで親の気をひく子供のように)、あえて行っている場合があると考えられます。勿論、本人にはそんな意識は全くありません。無意識の行動なのです。

    傾向としては独居で、知人が周囲に少なく、孤独感を感じているような環境であり、対面的にはとても礼儀正しく、律儀な印象を与えるような方にしばしば見受けられます。

    簡単に言えば「孤独感」があるために、自分により感心を持ってもらいたいのだと思います。



    「度重なる変更ですから、変更は今回までとさせていただきます。もしも次回、変更の必要があっても、応じかねます。当院では、そのような場合には以後の治療をお断り致します。」

    「....事情にかかわらずですか?」

    「以後、事情は考慮いたしません。このような度々の手数は迷惑です。円滑な運営の妨げになりますから。」

    「わかりました.....。」


    原点に返ってもう一掘り考えてみると、事情が発生して治療の予約が先延ばしに出来るのであれば、その人の抱える問題は、それほど「おおきなもの」ではないと考えられます。

    本当に苦痛であれば、少しでも早くに改善させたいでしょう。そういう場合にはスケジュールの優先順位も治療が最優先となるものではないでしょうか。
    少なくても、友人との買い物が優先ということはないでしょう。

    変更で何度も先延ばしして「嗚呼!、毎日苦痛でたまらないのです」などと訴えられても、その言葉を額面通りに受け取ることは出来ません。
    当院ではお盆でも、通常どおり診療を行っております。
    例年ですとお盆期間は、比較的予約が取りやすい状況です。
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