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鍼灸師ハリポのコラムです。開業鍼灸師としての日常や、週1勤務の産婦人科での経験を。
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    膝が痛み整形外科を受診したら、膝の関節のクッションである半月板が壊れているとの診断で、関節にヒアルロンサンを注射するように言われた女性。

    何度か注射を受けるうちに、かえって痛みがまして、整形の治療に不信感を抱いたので、鍼灸を受けに来たとのことでした。

    すべて患者さんからの聞き取りによるものなので、話の正確性はわかりません。
    しかし、合理的な話ができる人なので、大筋ではそのようなことであったのだと思われます。


    さて、病院では、いつも科学的で正しい治療が受けられると、多くの方が思っていると思います。

    しかし、現実は案外「いい加減」なことが多いものです。


    このケースで言えば、まず、診断にあった半月板の損傷ですが、通常のレントゲン写真で半月板の正しい診断など不可能だと思います。

    この方は、関節鏡などで検査をしたわけではなく、医師の推察による診断と思います。

    かりに半月板に損傷があっても、それがどのくらい症状につながるのかは、実のところ不明です。

    膝に問題がない人でも、検査をするとある割合で半月板に問題がみつかるケースが知られているからです。

    こちらの外部ブログ記事をご参照ください。
    http://intmed.exblog.jp/7476264/


    また、その関節にヒアルロンサンを注射すると、それで半月板が改善するとする治療も疑問です。

    おそらく医師は、そういう説明をしたわけではないと思いますが、患者さんにしてみれば

    半月板が壊れていることが膝痛の原因=ヒアルロンサンを注射すると改善する=半月板が注射によって修復される というつながりを想像するのは当然の発想ですから、このような誤解につながる責任が、誰にあるかは明白です。


    この女性はその後3回の鍼灸治療で、膝の症状はすべて改善するにいたり、またその状態が維持できているようです。

    結局のところ、半月板など何の関係もなく、膝を取り巻く筋肉のstiffness(コリ)や、それに伴う痛みが膝痛の本態だったということです。
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    北京オリンピックの最中です。


    水泳の北島選手のニュースででてきた、小学生と交流シーンの1コマ。

    「本番の前に緊張したりドキドキしたりすることはないのか?」

    「ある、いつもドキドキ ばくばくする。でもそれが楽しい。それを楽しんでいる」(要約)



    実感として表現できる人の生理反応というのは実はあまりバリエーションがありません。

    ボーっとする
    ドキドキする
    冷や汗がでる
    息があがる
    手足が震える
    尿意を感じる
    鳥肌が立つ

    など、本当にわずかでしょう。

    重要なのは、生理的反応をどのように解釈して、どのような情動として反応しているかにあります。

    ドキドキをネガティブに捉えると、動悸がするということになります。
    北島選手のように、ポジティブに捉えると、この興奮が気持ちよいということになります。


    病気が得意の人というのは、生理反応をいちいちネガティブに考える癖があります。

    そのような人は、薬などによって生理反応をコントロールすることに偏りますが、本当はドキドキといった生理反応の解釈と、その解釈に反応するパターン(心配する、おかしいと思う、悪い出来事だと思うなど)を変える必要があることは、明らかです。

    患者さんからいただいたメールの引用です。

    -------------------------------------------
    「腰痛の原因はストレス」と特定して自分で納得できたのは、かえって救いでした。
    腰が痛み始めたら、ストレスが過剰にならないように(先生のお言葉を借りれば→)引き算すればいいんだ、と。

    とにかく腰の痛みから解放されたくて「針を刺してくださーい!」と来院しましたが、その後、体に関して自分の中でどこか「脳内革命」(?)が起こっていますのは、とても愉しいと思います。
    また長々と失礼いたしました。
    -------------------------------------------
    引用終わり


    日常経験する痛みなどの不調。

    その原因は、突き詰めてゆくとその人の「癖」にあるといえます。

    姿勢の癖
    動作の癖
    物事の捉え方、考え方の傾向など頭の使い方の癖
    心の動き方の癖

    などです。

    姿勢や動作が、足腰などの痛みに関係するということは多くの方が理解できます。
    当院でも、患者さんは、そのような説明はよく納得されるようです。

    しかし、物事の考え方や、心の動き方が深く関係するという話になると、理解することが少し難しいようです。


    例えば、腰痛があり、過去に病院で「椎間板ヘルニア」と診断されたことがあるという人の、「ありがち」な例です。

    そのようなケースにおいてほとんどの方が、「自分にはヘルニアがあり、そのために慢性腰痛が継続している」と考えています。

    病院において、医師からそのような説明をうけ、その説明を納得したからです。


    しかし、そんな診断をわざわざ受けなかったら、あるいは今の慢性腰痛はないかもしれません。

    多くの人は、その診断によって、「自分は腰が悪い=腰はつねに保護しなければならない=腰に無理をさせない=無理をさせればまた痛くなる」というような自己暗示のサイクルに陥っていることが多いからです。

    このようなケースを私は「診断の呪縛」(広い意味での自己暗示)と考えています。


    そもそもヘルニアであるということと、「腰痛」という症状に、どのくらい相関関係があるかは「不明」です。

    画像診断で重度なヘルニアが発見されても腰痛など感じないケースは多くあるといわれます。
    また、手術でヘルニアを処理しても、腰痛が改善しないケースもよく聞かれます。

    私はヘルニアと腰痛は分けて考えるのが現実的だと考えます。


    さて、人はヘルニアという診断を案外「大病」のように受け止めています。

    しかし、ヘルニアなどとわざわざ特定してみても、では手術をしないケースのヘルニアが、どのように治療されるか、現実を見れば「湿布と薬と牽引」。
    整形で行われる他の腰痛への手当てとまったく変わりはありません。

    治療の現状からみれば、特別に分けて考える必要など、全くないと思われます。

    皮肉めいた言い方をすれば、わざわざ高度な検査をして、「ヘルニアです」という烙印をおして、患者さんに呪縛をあたえて放置する。
    その結果、患者さんは「悪い自己暗示」の悪循環にはまり、腰痛がおきやすい傾向が継続してしまう。

    そんな構図なのだと思います。


    実際には、この話がにすぐに理解できる方はあまりいません。

    「そのような話は整形での説明と違いますし、常識ともちがっていて理解できません」
    そんな感想が一般的です。
    無理もありません。そのような回答こそ常識的です。

    しかし、私はむしろ不思議なのです。

    ヘルニアが原因で腰痛だと深く信じる方が、では何故に鍼灸に来たのでしょうか?

    私は「腰痛とヘルニアとは別に考える。だからこの腰痛には効果が期待できる」という主張をしています。

    一方、患者さんは、ヘルニアによって腰痛が起こっているという説を省みようとはしません。

    であるなら、鍼でヘルニアを治そうとして来院したのでしょうか?

    いいえ、多くの場合にはまず腰痛を改善しようとしてくるのです。
    説明は理解できないといいつつも、実は腰痛だけを分離して治療できると考えている「本人自身」の思考には気づけないのです。


    私の経験から言えば、それに気づけた方は、慢性腰痛にも変化が起こるものです。

    物事の、受け止め方や考え方の癖、それに伴う心の動きは、腰痛をはじめ、身体の不調を考える上でとても重要です。
    健康とは「常に全力を発揮できる状態である」ということを書いたことがありますが、先日、患者さんからこのようなメールをいただきました。

    一部引用させていただきます。

    ----
    健康とは、健康「感」のことなんじゃないかな?
    いずれは自分は一病も二病に持つようになると思うけれど、それでも爽やかに笑って時間を生きていけるような人になりたい(理想ですが..)。
    ----

    私もその方の言わんとしているところに共感します。

    健康とは「生き方」であり、究極的には病気であるとか病気でないということとは無関係だと考えます。

    「健康でも病気をすることはある。」

    例えば、子供などがそうです。

    子供はよく感染症に罹ります。
    それを「病気をした」とネガティブに捉えるのはあまりにも一面からの見方で、別の見方をすれば、「必要な免疫を獲得する経験」ということが言えると思います。
    なぜなら、この世の中で今後も生きてゆくためには、どこかでそれを経験する必要が絶対にあるからです。

    私たちは、多くの病気を経験して、生きるのに必要な免疫を獲得する仕組みになっています。
    ありふれた感染症を経験することは、むしろ必然であり、それは免疫にとっての「成長の一こま」といえるでしょう。

    であるなら、そういう必然の出来事は、むしろ「健康」だから経験できることなのだと考えるべきではないでしょうか。
    それをいちいち健康を損ねたというように見るのであれば、みんな不健康で身体が弱いというようになってしまうでしょう。

    そのように考えてゆくと、健康とはまさに「感」であり、身体をどのような考えをもって見ているかが「鍵」になります。

    戦争中に爆撃があったら、寝たきりの筈だったおばあさんがが走って逃げた逸話があります。
    人は思い込みで不健康に陥っている場合が多く、そのような思い込みが通用しない出来事に遭遇したとたんに、力が発揮できる。

    好き好んで、「病気だ=健康を損ねた」と考える「思考パターン」に執着するメリットなど、どこにもないと思うのです。
    7月28日は 午後4時30分ごろまで電話が不通の状態になり、ご迷惑をおかけいたしました。

    これは、前日の雷の影響で、通信設備に故障が発生したためです。

    当院は、NTTの光電話を利用しています。
    一般の電話と違い、停電時などにも不通となる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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