病気を原因から細かく分類し、診断することは大切かもしれませんが、現実的な治療選択枝からみれば、あまり意味がありません。
どんな病名であっても、その結果行う治療が同じなら、同じ治療をするものとして一つくくりにできます。
例えば、椎間板ヘルニアの場合、治療の選択枝を大きく分類すれば、手術をするかしないかです。
手術をする例は全体の中のごく一部であり、他は手術をしない保存的療法ということになります。
保存的療法の場合に、一般的に行われているのは、神経ブロックや温熱牽引などの理学療法です。
そして、神経ブロックはある期間に限定して行われることが一般的なので、手術しないものは温めたり牽引したりするだけなのが現実です。
これは、脊椎管狭窄症だとか、すべり症だとか、他の病気でもほぼ同じような構図です。
おおまかな治療法から病名をくくると、案外シンプルなのですね。
鍼灸に腰痛の治療を受けに来た方がよく言います。
「私の症状は椎間板ヘルニアなのではないでしょうか?」
「それは、病院で検査を受けていただかなければはっきりいたしません。しかし、仮にヘルニアであったとしても、治療の選択枝は今と変りません。日常に差し支えない程度の場合には、ヘルニアであっても手術になる可能性は低いからです。
今と治療法が変らないとしたら、検査ではっきりさせることに、現実的な意味があるでしょうか?」
余談ですが、そもそも私は、腰痛や下肢のしびれ症状と、椎間板ヘルニアとの関連性は、実はあまり関係ないという考えに賛同しています。
http://junk2004.exblog.jp/d2006-12-01