テニスの選手は、ラケットを持つ腕が長くなるという話を聞いたことがあります。
そのようなことは起こりえることだとおもいますが、これは歪みなのでしょうか。
歪みと言った場合には、肉体的な不都合を伴う意味合いがあると思います。歪みが原因になって、痛みなどの症状が発生しているといった具合にです。
しかし、もしもその歪みが、その人の仕事や生活に良い影響を与えているかも知れない場合には、どうなのでしょう。
ラケットを持っている腕が、反対側より長いという理由で、矯正すべきなのでしょうか。難しいテーマだと思います。
先日、音楽家の方が治療にお見えになりました。
身体を観察したところ、楽器を演奏していることにともなう、独特の歪みがあるのですが、お見えになった理由は追突事故による背部症状なのです。歪みは事故以前からあるでしょうし、事故以前はなんの自覚症状もなかったとすれば、見つけ出した歪みを、板金をするかのように修正することにためらいを感じます。
何故かというと、修正することで、楽器が弾きにく感じる可能性があるからです。
世間では、歪みは悪いもので、治すべきという短絡的発想が主ですが、そんな単純なものではないと考えています。