呼吸をするときには、胸郭から腹部にいたるまで、波状的に膨らんだり縮んだりと、呼吸リズムに追随して運動しているが、内的呼吸リズムは、実際の呼吸リズムよりワンテンポ早く刻まれていると思う。
本日、伏臥位で治療を行っているときに、何気に患者の耳介をみると、呼吸に先んじて、耳介が開いたり閉じたりと運動をしている。呼吸運動よりワンテンポ速い。
さらに、実際の呼吸を抑制するように(息を詰めさせるように)背部から胸郭を圧してみても、リズムは自立的に一定である。呼吸抑制中も、あたかも呼吸が続いているように、開閉をくりかえしている。
試しに、このリズムが、オステオパシーでいうところの、仙骨ー頭骸骨リズムかと思い、頭部を絞扼的に圧しても、リズムは変らない。やはり呼吸リズムの部類であろう。
矯正手技の中には、呼吸を吐ききったときとか、吸いきったときに行うものがあるが、おそらくそのタイミングというのは、実呼吸ではなく、この前駆呼吸リズムの方が指標なのではないだろうか。