産後の自律神経失調
産後には、「産後の欝病」のように全く気力がなくなり、通常の生活ができなくなるケースはよく知られています。
そこまで重症でなくても、もっと身近にあるのが自律神経失調状態です。
症状は、頸や肩のこり、眩暈(ふらつき、ふわふわ感)、吐き気、便通異常、不眠など様々です。
これらは、育児や家事などの心的疲労と肉体疲労の継続的な負荷によって起こるものだと考えられます。
さて、産後自律神経失調の治療の着眼は、頸部の緊張をどのように緩和させるかにあります。
「肩こり」はいうまでもなく、眩暈感や吐き気などの原因も頸部の緊張にあると考えられるからです。
まず、「眩暈(めまい)感」ですが、これは頸部の筋緊張により首の動脈が軽く圧迫され続けることで、軽い脳貧血(脳循環障害)が頻発するのだと思われます。
同じく吐き気も、頸部の筋緊張が迷走神経を刺激することによって起こると考えます。
実際に、マッサージなどで頸部を軽く弛めると症状は軽減されます。
頸部や肩部を蒸しタオルで温めたりすることも効果的です。
風邪の漢方薬として一般に知られている葛根湯も、頸部を弛める効果がありますので、有効な場合があります。
いずれにしても、このケースには鍼灸の治療により改善が期待できます。
お困りの方は、一度お近くの鍼灸院へご相談ください。