1年を振り返っての雑感(2)です。
当院は不妊症の相談を広く受け入れております。
今年度は現時点で42名の新患が来院されました。
新患で来院された方のうち、継続して通院されるのは最終的に4割程度で、多くの場合には「不妊の鍼灸治療とはどのようなものか」を一度体験する意味での来院と理解します。
また、県内全域から来院されるので、継続的な治療が難しいケースが目立ちます。
よって、常時十数名が継続治療を受けている状態です。
今年の妊娠例は、報告があったものだけで次のような結果です。
鍼灸のみ(病院での治療なし) 5名(経産婦の二人目不妊1名を含む)
人工受精と鍼灸併用 2名
体外受精と鍼灸併用 2名
今年の特長としては、不妊治療を行っていたが、病院での治療は現在休止中という状態で来院された鍼灸単独治療に妊娠例が多かったことです。
妊娠を目指す方は、病院との併用の割合が圧倒的に多く、鍼灸単独の症例は割合が少ないにもかかわらずです。
これは、意外な結果でした。
さらに、鍼灸単独治療による妊娠例のうち3例は、治療回数5回未満で、その3例中1名は結婚11年超での妊娠例でした。
当院では、鍼灸治療10回で1クールと考えています。週に1度の治療なら2ヶ月半です。生理周期で2周期程度。効果を考える上で、そのくらいの経過観察が最低必要だからです。
参考までに、今排卵された卵子は150日前から成長を始めた卵子と言われます。生理周期にして5周期をまたいで成熟卵になっているわけです。
そのようなことを考慮すると、不妊治療は少なくても半年がかりと言えるわけですが、現実には短期間で結果につながる場合もある。
短期間で妊娠した例は、たまたま運がよかった偶然なのか、特別の理由があるのか、来年はその辺も含めて技術を考えてゆきたいと思います。
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