私は以前、個人病院ではたらいていました。
外来の理学療法が主な仕事で、毎日本当に多くの患者さんに対応していました。
助手の期間も含め、7年程度在籍していましたが、その間に担当していた患者さんで、何らかの理由でお亡くなりになれれたのは1名だけでした。
私は開業以前までは、鍼灸は「死」からはいささか距離のある、病気なら「初期の段階」に対応するものだと思っていました。
しかし、現実はそうでもありません。
毎年のようにかなり深刻な相談がよせられ、引き受ける場合には、鍼灸にできることをきちんと理解していただいた上で対応させていただいております。
さて、たとえば癌など余命宣告をうけたような場合には、代替療法などに活路を見いだす傾向があります。
そのような中で「鍼灸」も選択枝になってくるのでしょうが、そのような状況に至っては「特定の苦痛の緩和」などに限定した場合に効果があるといえる範囲だと理解しています。