プロラクチンというのはホルモンで、乳腺に働きかけて母乳を作らせるというのが主な役目です。
母乳を作らせるホルモンなので「催乳ホルモン」などとも言われています。
プロラクチンは「妊娠中から産後」にその値が高くなります。これは正常な現象です。
しかし、なんらかの原因で通常でもこのホルモンの値が高い人がいます。
この状態を高プロラクチン血症といいます。
高プロラクチン血症になると、生理が不順になったり、生理がなくなったりします。
不妊症や流産を繰り返す原因にもなります。
高プロラクチン血症の原因として甲状腺機能低下症というのがあります。
甲状腺とは喉にあるホルモンを分泌する器官で、体の代謝を上げるような働きを担っています。
高プロラクチン血症と甲状腺機能低下症。
一見関係のないように見える二つがどのように関係するのでしょうか。
その答えの鍵は、脳が甲状腺へ「もっとホルモンを出しなさい」と伝える甲状腺刺激ホルモンTRHです。
このホルモンは同時にプロラクチンの分泌も刺激するのです。
甲状腺に病気があり、甲状腺の機能が低下していると、甲状腺からのホルモン量が減ってしまいます。
脳は甲状腺からホルモンをもっと出させようとして、甲状腺を刺激するホルモンをたくさん出します。
これが同時にプロラクチンも分泌させ、高プロラクチン血症となってしまうというわけです。