食欲がないということと、お昼になったがお腹がすかないというのは違います。
ほとんどの場合、空腹になるまで待てば、食欲もでるからです。
同様に、夜の9時に布団に入ったが、なかなか寝付かれないというのと「不眠」は違います。
眠くなってから寝れば良いだけの話で、それは不調でも病気でもありません。
規則正しい生活を、時間通りに食べて寝ることだと信じている人は多いです。
しかし、そのような生活と生理的要求が一致するとは限りません。
食欲がないとか、不眠だとかいう高齢者のほとんどが、時間の上では規則正しい生活を実践しているタイプに多い印象です。
先日もこのような話がありました。
先生、私不眠症なんです。寝付きは悪いし、夜中に目が覚めるともう寝られずに、朝までうとうとです。
そうですか。ところで、何時に就寝するのですか?
9時です。
夜中に目が覚めるのは何時ですか?
2時頃です。それからは朝まで眠れません。眠れないというのもつらいですよ、先生。
それで、起床は何時ですか?
5時にはすっかり目が覚めています。でも何もすることがないので6時に布団から出ます。
わかりました。では毎日12時に就寝するようにしてはいかがですか?9時に就寝して2時に目覚めるなら、12時に就寝すればおそらく5時までは目が覚めないでしょう。それでちょうどです。
でも、それでは睡眠不足になりませんか?
睡眠が不足すれば、眠くなるだけで、それは不眠のあなたにとって都合が良いことではないのですか?そもそも今の状態で、日中眠いとか、体調がおかしいということがあるのでしょうか?
いいえ、そういうことはありません。
でしたら、あなたのおっしゃっていることは、本来の不眠とは違います。お昼の時間になっても空腹になりませんというような話と一緒です。空腹になってから食べればよいだけの話で、この場合でも、しっかり眠くなってから就寝すればよいだけの話です。
それでは規則正しい生活にならないではないですか!?
規則正しい生活の結果、あなたに苦痛が発生しているなら、そのパターンを見直せばよいわけです。深夜12時に就寝すると決めても、それはそれで規則正しい生活でしょう。
........(患者さん苦笑)。
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