妊娠における逆子(骨盤位)には、お灸が効く言われます。
改善率は、70-80パーセントと報告されます。
当院では、逆子の治療は通常1回で、その1回の中でセルフケアもあわせて指導します。
今は、台座がついた便利なお灸があり、もぐさを手で捻らなくても、だれでも手軽にお灸ができる製品があるからです。
逆子が治ったかどうか、必ず電話などで報告してくださいとお願いするのですが、報告をいただけることは少ないです。
産後になって、ふたたび来院した折に、「その後どうだったか」をたずねる形態がほとんどです。
さて、先日も妊娠34週目に逆子で治療を受けた方が、出産し、産後の腰痛で来院されました。
「逆子はどうでしたか?」
「はい、結局治って、通常の分娩ができました」
「それはよかったですね。どの位の週数で治ったのですか?」
「それが....あのあと、数日は指示通りにお灸をしていたのですが、だんだん面倒になってやめてしまったのです。まったくの逆さではなく横向きという感じになったようですが」
「それからどうなりました?」
「で、結局40週になり、横向きのままだったので、帝王切開の予定だったのですが、なんの拍子なのか、突然正常の位置になり、通常分娩ができたのです」
「ほーーー! それは親孝行のお子さんですね」
通常、逆子は35週までならよく改善し、その後は週数が増すにつれて改善しにくくなると言われていますが、出産直前でも治る例があるいうのは本当なのですね。
ただ、このケースは「逆子の治療としてのお灸」の効果ではなかったといえますが。
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