精子というと、丸みを帯びたX染色体の精子と、流線型のY染色体の精子の2種くらいしか思いつきません。
ご存知のように、X染色体なら女の子が誕生し、Y染色体なら男の子が誕生です。
でも、本当はそれぞれに、もっと巧妙な様々な役目があるようです。
射精された精子は、その機能面から3つの群に分けられます。
守備の役目を持つ精子群
攻撃の役目を持つ精子群
実際に卵子に向かい受精を受け持つ精子群
守備の精子群は、今回の射精中でも比較的以前に誕生した古めの精子群で、奇型や運動能力の劣る精子群です。
これらには腟内、あるいは、子宮頸部に堰をつくり、後から来るかもしれない「よそ者」の精子をブロックする働きがあると考えられるようです。
攻撃の精子群は、卵子に向かう精子群を護衛するかのように振る舞い、自分の仲間の精子群と、
あるかもしれない(よそ者の精子群)を見分ける能力があり、万一よそ者の精子がいた場合には、これを攻撃し死滅させる役目などを担っているようです。
さて、射精された精液は、最初はドロッとして粘度が高い状態ですが、数分でさらっと液状になってきます。
その理由としては、次の仮説が有力そうです。
射精された精子は、古めのものから順に出てきます。
古めのものは運動能力の低めで、最後尾に来るべき群です。
上記でいう守備群ですね。
そして射精最後ほど新しく元気な確率が高い。
これは最前列にくるべき群です。
いわば前後が逆の隊列で射精された精子が進軍に備え、理想のフォーメーションを形成するまでの時間が必要だということらしいのです。
ここまで知って思うのは、私達が想像する以上に、「巧妙なことがおこなわれている」ということでしょう。
話はさらに続きます。
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